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ラットを用いた魚肉ペプチドの経口投与毒性試験(慢性毒性試験) 実験協力&データ提供:関西大学 化学生命工学部 生命・生物工学科 福永健治教授 魚肉ペプチドに慢性毒性はなく、健康増進効果がある 【背景】 これまでに魚肉ペプチド(FP)摂取の安全性について、単回投与急性毒性評価試験および90日間投与亜急性毒性評価試験を行い、FPが全く毒性を有しないことを報告した。本研究では、FPのさらなる安全性を確かめるために、一年に及ぶ投与実験により毒性評価を行った。 【方法】
【結果】 一般状態および体重: 飼育期間52週間、雌雄全固体死亡例はなかった。また、飼育期間中の体重推移に異常は認められず、対照群と比較して有意差はなく、良好な成長が認められた。 各組織重量、剖検および病理組織学的検査: FP給餌群雌雄では肝臓重量の有意な低下が認められた(表1)。これはすでに報告した脂質代謝実験の結果から、肝臓中性脂肪の減少効果によるものであると考えられる。また、FP給餌群雌雄で、有意な白色脂肪組織の減少および褐色脂肪組織の増加が認められた。これは、FP給餌による脂肪燃焼促進効果と一致する結果である。その他の雌雄全例の各器官、臓器重量器官および組織の外観観察では対照群との差異は認められなかった。 血液生化学検査: FP給餌群雄では血清総脂質の有意な低下が認められた。これは血清中性脂肪およびコレステロールの減少によるものと考えられる。 【まとめ】 脂肪組織の減少など健康増進的作用は確認されるものの、一年におよぶFP投与によっても一般所見、解剖病理学的所見、血液生化学検査いずれにおいても全く異常は観察されず、改めて高い安全性が確認された。 |