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魚肉ペプチドの抗ガン効果に関する研究 実験協力&データ提供:関西大学 化学生命工学部 生命・生物工学科 福永健治教授 【背景】 我が国で悪性新生物(ガン)が死因1位になって四半世紀が経過した。これまでに水産物摂取と種々のガン発症の関係が研究されており、水産物由来のドコサヘキサエン酸(DHA)などn-3系高度不飽和脂肪酸(n-3PUFA)がエイコサノイドやサイトカインの生成、免疫系に影響し、種々のガン発症に抑制的に働いていることが解明されてきている。しかし、水産物の有するガン抑制効果は魚肉の主成分の一つであるタンパク質にも同様の効果があることを福永らは確認している。そこで、本研究では魚肉ペプチド(FP)の抗ガン効果について検証した。 【方法】
【結果】 給餌開始から21日経過時点までに次のような変化が観察された。 1) FP投与群は対照群に比べ14日までは体重増加が高い傾向にあり21日までは体重減少が軽減した(図1)。 2) FP投与群は腫瘍重量の増加が抑制されることが認められた(図2)。 3) 7、14、21日後の腫瘍増殖抑制率はFP高投与群では、移植後の日数に関わらず高かった。FP低投与群で抑制率が低下したのは、腫瘍の増殖力が上回った結果であると考えられる(図3)。 4) 腫瘍移植マウスの生存期間は、どこでエンドポイントをとってもFP高投与群で延長されていた(図4)。
【まとめ】 FP投与群ではコントロールと比べて腫瘍重量が少なく、生存期間も増加することから、FPには抗ガン効果あることがわかった。 |