「かまぼこ」は抗酸化活性に効果がある
【主任研究者】 佐々木 康人(神戸学院大学栄養学部)  2003年


研究タイトル:かまぼこ製品(水産練製品)摂食による脳卒中易発症高血圧ラットの血圧ならびに脳卒中発症への影響

【研究目的】
かまぼこを始めとする水産煉製品は、近海鮮魚を材料として加工するため魚に含まれるEPA、DHA、タウリンなどの有効成分を豊富に保持している事は疫学調査などで研究されてきました。しかし実際にかまぼこを食べることにより血圧への影響や、抗血小板活性や抗血栓性、血管内皮機能を調べた研究はまだありません。今回は、かまぼこを食べることで抗血栓作用や血管保護作用が有りえるのかを、モデル動物を用いて解明しました。

【研究成果】
この研究は魚の白身から作られた加工食品のかまぼこや、いわしのすり身が血圧や血栓、抗酸化活性に有益であるかを高血圧状態のラットを用いて研究しました。実験は生後6 週間のラットに4 週間の間、4 種類の餌の与え変化を測定しました。
1)は、かまぼこを与えた物。
2)は、いわしのすり身を与えた物。
3)は、1)で与えているのと同量の塩分がある食塩水と標準飼料を与えた物。
4)は、標準飼料を与えた物
の4 種類です。結果として、いわしのすり身を与えられた物は血圧の上昇や血栓形成が抑制されました。また、かまぼこを与えられた物と、いわしのすり身を与えられた物は抗酸化活性が有意に増加していました。

このことでいわしのすり身を食べることが測定を行った全ての心血管系パラメータに効果があり、かまぼこを食べることは血管内皮に関連したパラメータに効果があることを証明しました。