運動1


魚肉ペプチドの摂取および持久的トレーニングがラット骨格筋に及ぼす影響

実験協力&データ提供:順天堂大学 スポーツ健康科学部 運動生理学研究室 内藤久士 准教授
魚肉ペプチドを摂取すると筋肉が効率よく合成される

【目的】
持久的トレーニング期間中の魚肉ペプチドの摂取がラット骨格筋に及ぼす影響を検討する。 


【方法】
5週齢のウイスター系雌ラットを飼料(標準食、大豆ペプチド、魚肉ペプチド)およびトレーニング(安静、トレーニング)の組み合わせによって合計6群(3×2群:各群n=8)に分類。

飼料は、AIN96G標準飼料をベースに、カゼイン重量の50%を大豆ペプチドまたは魚肉ペプチドで置き換えたものを与えた。

トレーニング群は、トレッドミル上での持久的ランニングを1日60分、週5回の頻度で5週間にわたって行った。トレーニング期間終了72時間後、下腿骨格筋を摘出し、足底筋の筋タンパク含量および筋グリコーゲン量を定量した。



【結果】

筋タンパク質含量


筋タンパク質含量はトレーニングによって増加する傾向はみられたが、飼料による差はみられなかった(図1)。ただし、安静群を基準としてトレーニングに伴う足底筋の筋タンパク量の相対的な増加率を算出したところ、魚肉ペプチド群のみ有意な増加がみられた(図2)。

持久的トレーニング期間中に魚肉ペプチドを摂ることは、骨格筋のタンパク質合成を高めるのに有効であることがわかった。
 

筋グリコーゲン含量



筋グリコーゲン含量は、トレーニング群が安静群に比べて高い傾向を示し、さらに魚肉ペプチド群は標準飼料群および大豆ペプチド群と比べて有意に高い筋グリコーゲン含量を示した(図3)。

持久的トレーニング期間中に魚肉ペプチドを摂ることは、筋グリコーゲンの貯蔵量を高めるのに有効であることがわかった。
 

【まとめ】
トレーニング期間中に魚肉ペプチドを摂ることは、筋肉の合成を効率よく引き出すのに役立ち、エネルギーとなる筋グリコーゲンをためる筋肉をつくるのに有効であることがわかった。