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老化促進マウス(SAMマウス)に対する魚肉ペプチドの影響−βアミロイドの低減− 実験協力&データ提供:神奈川歯科大学 生体管理医学講座 薬理学分野・ESR研究室 李昌一教授 魚肉ペプチドがアルツハイマー病抑制作用をもつ可能性がある 【背景および目的】 これまでに魚肉タンパク質を酵素により分解した魚肉ペプチド(FP)は、抗酸化能が大豆ペプチドよりも高く、高血圧自然発症ラット(SHR)の脳内酸化ストレスを有意に低下させることがわかっている(抗酸化の項目を参照)。本研究ではさらに老化に対する影響を調べるために、老化促進マウス(SAM)を用いて、その脳内酸化ストレスレベルおよびアルツハイマー病の原因の一つと考えられているβアミロイドの蓄積に対するFPの影響を明らかにすることを目的とした。 【方法】
【結果】 ・ESR法を用いてSAMマウス脳内の酸化ストレスに対するFPの影響を解析した結果、有意差は得られなかった(図1) ・ELISA法を用いて血液内のβアミロイド蛋白量を解析した結果、Controlと比較してFP摂取群では有意にβアミロイド蛋白の減少が認められた(図2) 【まとめ】 アルツハイマー病の発症や、それによる神経細胞死には活性酸素種の関連が考えられており、βアミロイド蛋白もまたそれに関係している。FP摂取によりSAMマウス脳内での酸化ストレスが軽減し、βアミロイド蛋白の生成も有意に抑制されるという結果から、FPを摂取することによりアルツハイマー病の発症・増悪を抑制できる可能性が示唆された。 |