かまぼこは生活習慣病の予防・改善に寄与する
【主任研究者】 永井 毅(東京農業大学生物産業学部)  2003年


研究タイトル:かまぼこ製品酵素消化産物の生体調節機能に関する研究

【研究目的】
この研究では、かまぼこの機能性については、ほとんど調べられていない状況で、機能性・特に消化管酵素により消化された消化産物の抗酸化性や活性酸素捕捉効果を明らかにするものです。

【研究成果】
かまぼこにタンパク質分解酵素を作用させ人間が消化した状況を仮に作り、機能性に関して検証しました。
1)抗酸化性効果 2)活性酸素種捕捉効果 3)血圧降下作用を検討した結果、抗酸化性で高い効果が期待できる物がありました。また活性酸素種では、「ヒドロキシルラジカル(※)」の捕捉効果が認められました。血圧降下作用では様々な発酵食品と同じ効果が認められました。
以上のことからかまぼこは生活習慣病の予防・改善に寄与することがわかりました。

※ヒドロキシルラジカルは、細胞成分を酸化し、酸素障害を引き起こす活性に富んだ酸素種で「活性酸素」の一種です。この活性酸素は血管を傷害して、癌化や老化の促進をします。ヒドロキシルラジカルは、それ自体の寿命は短いですが酸化力は強く、特に脂質の酸化を連鎖的に行ないます。

かまぼこ製品酵素消化産物のアンギオテンシンT変換酵素阻害活性
種類

           IC50 (mg/ml)

ペプシン トリプシン パパイン サーモリシン プロナーゼ キモトリプシン
全蒲 6.19 6.19 7.48 9.54 8.65 12.2
白抜き 0.14 0.17 0.26 0.18 0.13 0.14
伊達巻 6.06 60.3 33.4 7.30 10.8 11.6
焼きちくわ 6.26 5.33 6.58 6.26 6.32 8.16
はんぺん 6.52 10.9 161.3 6.14 96.1 8.27
さつま揚げ 5.06 6.34 9.24 5.52 5.59 5.99
カニかま 52.5 57.4 57.4 54.5 60.7 60.7